「取り締まり難しいから」車内喫煙に罰則、見送り…受動喫煙防止条例案
(2018/12/27読売新聞記事)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20181227-OYTET50007/ 兵庫県は26日、受動喫煙防止条例の改正骨子案を発表した。20歳未満の人や妊婦について、保護者らによる飲食店の喫煙スペースへの同伴禁止や、自家用車内など私的空間での全面禁煙を盛り込む一方、有識者委員会が提言していた罰則規定は見送っており、規制内容は大幅に後退した。県は来年1月16日まで意見を公募し、2月議会に提案する。
骨子案では、20歳未満の人や妊婦がいる場合、飲食店などの喫煙スペースに同伴することや、自宅やホテルの客室、自家用車内で喫煙することを禁じるが、「実際に取り締まるのは難しい」などの理由で罰則は付けなかった。一方で、公園や大学などの敷地内でたばこを吸ったり、飲食店などの経営者が喫煙スペースに20歳未満の人や妊婦が入るのを容認したりした場合に、罰則を設ける方針。罰則内容については今後検討する。
井戸敏三知事はこの日の定例記者会見で、「受動喫煙にさらされる弱い人たちを守る委員会の提言の趣旨には沿っている」と説明。
県の骨子案について、有識者委員会の藤原久義委員長(兵庫県立尼崎総合医療センター名誉院長)は、「20歳未満と妊婦の受動喫煙の防止を義務化することは意義があるが、罰則については再検討してほしい」と話している。
受動喫煙防止条例見直し 子ども同乗のマイカー禁煙盛り込む
(2018/12/14 サンテレビ)https://www.youtube.com/watch?v=MuR4dMJQhbs
兵庫県の受動喫煙防止条例の見直しを議論してきた検討委員会は、子どもが同乗する自家用車での禁煙を義務付けることを盛り込んだ答申書を県に提出しました。
県の受動喫煙防止対策検討委員会の藤原久義委員長は14日、井戸知事に答申書を手渡しました。
今回提出された見直し案には、妊婦や子どもがいる空間では、自宅や自家用車などの私的空間であっても禁煙を義務付けるとしています。
委員会では、受動喫煙が原因とみられる乳幼児の突然死が全国で年間73件報告されていることや、子どもの肺機能の低下のリスクにつながることなどを重視したということです。
ただし、これまでに議論された罰則規定については、賛否が分かれ見送る形となりました。
県は答申書を参考に、来年2月にも県議会に条例改正案を提出するとしています。
子どもいる場所は禁煙 受動喫煙防止、検討委提言案 兵庫県
(2018/11/20 神戸新聞NEXT記事)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201811/0011835326.shtml
兵庫県の受動喫煙防止条例の見直しを議論している検討委員会は19日、家庭を含めて子どもがいる場所では禁煙を「義務」とする提言案をまとめた。ただ、自家用車内でも、子どもが同乗中の喫煙は罰則付きで取り締まるとしていた案については「行き過ぎだ」などと反対の声が上がり、意見はまとまらなかった。(前川茂之)
検討委は、たばこの影響を受けやすい20歳未満への対応を重視。「子どもがいる場所での喫煙は虐待に当たる」との見解から、自宅などの私的空間でも一律に禁煙を義務化することで一致した。
ただ、実効性を担保するための罰則規定については議論が紛糾。前回会合では、家庭内喫煙は見送ったものの、公道を走る車内は監視員を置くことで摘発できるとして、罰則を設ける方向性で合意していた。
ところが、この日の最終会合で再度、委員に意向を確認したところ、「走っている車を止めるのは物理的に無理」などの意見が相次ぎ、一気にトーンダウン。「実現性ではなく、県としての意思を示すべき」などの声も出たが、最終的な判断は委員長一任とした。
終了後、藤原久義委員長(尼崎総合医療センター名誉院長)は「前回合意に対する反響が予想以上に大きく、委員の意見をもう一度確認したかった」とし、今後両論併記も含めて文案を検討するとした。
子どもがいる家庭や自動車内での禁煙を巡っては、東京都が今年4月に施行した条例で「努力義務」と規定しているが、罰則付きとなれば全国初。県は検討委の提言に基づき、来年2月にも条例改正案を県議会に出す予定だが、井戸敏三知事は「私的空間に立ち入るのはよほどの公益性がない限りは控えるのが原則。よく検討したい」と慎重な姿勢を見せている。